いなべ動物病院の悩み。。。

狂犬病、フィラリア予防のシーズンが過ぎようとしています。

今年もたくさんの患者様に、待ち時間という多大なるご迷惑をおかけしつつ、
いつもの静かでアットホームないなべ動物病院を取り戻しつつあります。。。

と今までも毎年この時期に言っていましたが、

確かに一時的に待ち時間は無くなるものの、すぐに夏が始まりますので
体調の悪い子がちらほらと増えつつもあります。

まぁ動物病院ですし、本来病気の子のための僕たちですから、
もちろん頑張らせていただくのは当たり前ですが、
最近、、というよりはここ数年ずっと悩んでいたことがあります。

言い忘れましたが、今回まじめな話です。

 

元々は、開業時の僕の考えとして、
「アットホームで、良い意味で動物病院らしくない落ち着いた院内」
「ご近所の患者さん達が気軽に相談に来ていただけるホームドクター」
「1診療に30分以上かけて、しっかりとお話する診察」
「病気には十分説明して、飼い主さんと一緒に戦っていける診察」
「緊急時にはすぐに動ける人員、機材、知識」
という、聞く人が聞けば寒く感じるような理想がありました。

もちろん実際には困難で、
落ち着いたイメージということはつまり、患者さんの数は少ないということになり、
そうなれば、緊急時に動ける人員(人件費)、機材(高額な機械)、知識(学会費用と行く時間)は無理
となります。

幸いにも皆様のおかげで、多くの患者さん、スタッフに恵まれ、一般動物病院としては
やや十分すぎるくらいの機材導入ができ、
時々休ませていただいては学会にも参加させていただいています。

その反面、
「いつ来ても混んでる」
「避妊手術を頼んでもすぐしてもらえない」
「説明が速くてよく分からない」

などなど、ご迷惑をおかけしている状況もあります。
(まぁ予防が集中する春は仕方の無いことでもあるんですが。。。)

また、通常動物病院では、
外来時間中はもちろん基本的には1日中、入院している子の管理、検査、治療が必要で
外来時間外に行う予約の手術と、緊急疾患の手術、一日の診察のまとめ、
カンファレンス(今診ている病気の治療方針検討)など

外来時間外の仕事も多く、当院においても、その仕事が1日の大半を占める結果、

スタッフの皆さんが夜中日付が変わるまで帰れないこと、
お昼に15分くらいしか休んでもらえないこと
そのため、院内清掃美化など当たり前の仕事まで手が回らないこと などが
頻繁にある、ブラックな病院になり果てていました。
本当にみんなよく我慢して頑張ってくれてると思います。

飼い主さん達からも
「看護婦さん達大丈夫なの?なんかみんな疲れてるよね。大変だね」
とご心配いただいてしまうほどで、
雇い主としてとても申し訳なく思っていました。

まだあります。

いや、まだまだありますよ!ここ数年の悩みですから。

これは自分の資質や考え方の問題も大きいのですが、
大切なご家族をまかせていただいているのですから大きな責任が有り、
もっと、1つの病気に時間をかけて考えたい。
緊急時の手術を、すぐにでもできる時間的余裕が欲しい。
そもそも病気で通院している子が毎日待たされる病院ておかしいんじゃないか?
今のままの診察で、十分な説明ができているのか?飼い主さんと一緒に治療できているのか?

など、最近の診察の中で考えさせられること、飼い主さんからご意見ご指摘をいただくこともあり、
僕自身、忙しいだけではあまり疲れないタイプなのですが、
理想論と現実のギャップの中、精神的に疲れてきているというのも正直あります。

このように、患者さん、飼い主さん、スタッフ、自分、そして
自分を含むスタッフのご家族
全てに優しくない病院になってきてしまっているのが
今の自分の最大の悩みです。

毎年この時期が終わると、患者さんやスタッフに

「もうすぐ落ち着くからね」

と言ってきましたが、昨年も一昨年も結局1年通して改善無く

長年働かせていただいていた夜間救急病院を辞めることでこの病院に集中し、
「ホテル、お預かりサービス」をやめ、待ち時間が増える春には「混雑予想」をし、
期間限定的にですが、予約診療や休日診療で病気の子のフォローをし、
できる限り病気の子にもスタッフにも優しい病院を目指しましたが
結局のところ、恥ずかしながら皆様にこんな愚痴を垂れ流すことになってしまいました。

そこで、その打開策として2019年8月1日より外来時間の縮小をすることに決めました。

縮小したことで確保できる時間を
通院が必要な患者さんの予約診療
予約手術
緊急手術
スタッフの休憩時間に当てさせていただくことで、
今うちに来ていただいている患者さんが病気になった時にできるだけお待たせしない体制と
今いるスタッフの診察や仕事に対する質の向上のために、働きやすい環境作りをしていきたいと思います。

動物病院としては窓口を狭くするような行為ですので、経営的には「縮小」に舵をきることになりますが、
いずれにせよこのままの状況を続けていても、今のいなべ動物病院の規模では
いつか診察の質が落ちてしまいかねません。
多くの病院に見られるような、患者さんの数に合わせた病院規模拡大での対応が一般的ですが、
これ以上のスタッフ増員、病院拡張は僕の理想ではありません。

「外来時間が減るなら、その分混むじゃねーか」

ごもっとも!全てに都合良くは思いつきませんでした。
なので、また多くの皆様にご迷惑をおかけすることになるかもしれません。
ただ、予約診療により1つの病気対応にかける時間の確保をし、
病気の子にしっかりと向き合える病院作りをすることで、
今来ていただいている患者さんにも還元できるものと考えています。
2013年に開院した当初のように(当時のことはもう一部の飼い主さんと僕しか分からないことですが)、
飼い主さんとしっかり話ができる、というかちょっと話が長すぎるアットホームな動物病院を理想として
病気の子最優先で頑張りたいと思います。

 

 

長々とご静聴?ご熟読?ありがとうございました!

基本的にはお友達のブログでもなんでもない、ただの動物病院のホームページで
中年の愚痴をよくぞまあここまで読んでくれました。

いなべ動物病院は、元々こういう病院です。ということをご理解いただければ うれしいです。

院長は患者さんにだらだら話をし、
時に愚痴を言ったり、人生相談に乗っていただくことも多く、
「最近忙しそうで、あんまり先生と話せないわ」
と昔からの患者さんに言われると1日考え込んでしまう、
悩み多い末っ子中年ですし、
(自分で書いといてなんか気持ち悪いですね。。)

院内は、動物病院らしいものがあまりなく、
院長が趣味で買ってきた小物や、飼い主様からのいただきもののオブジェや絵がならび

暇になるとドックランで草むしりをしたり、
ホームページを更新したり。

「でも病気になるとホームドクターとしては頼りになるよねー」

を目指し、改めて再スタートをきらしていただきたいと思いますので
今後ともいなべ動物病院をよろしくお願いします!

 

なお、外来時間変更の詳細については、
6月25日に予定していますスタッフミーティングの後
ご報告させていただきます。

そして、この長い愚痴に対してのご意見、ご批判は、
へこみますのでご辞退させていただきます。

 

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